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成人血栓症と神経・精神異常の病因診断に
ホモシステイン代謝異常の鑑別診断が重要!

2026年1月28日

年明け早々、某病院の集中治療室(ICU)から58歳の成人男性のメタボローム解析を依頼されました。至急解析した結果、尿中メチルマロン酸の上昇に伴うホモシスチンの排泄増加が認められ、血中ホモシステインの高値と合わせて、cblC型ホモシスチン尿症と診断しました。
ホモシスチン尿症は、指定難病の1種です。https://www.nanbyou.or.jp/entry/22378

成人発症ホモシスチン尿症は、「原因不明の血栓症」「進行性の神経・精神症状」「非典型的な貧血や骨症状」を手がかりに診断されることが多い疾患です。表に示した臨床所見と分類があり、特にcblC型は成人発症が増えており、神経・精神症状が前面に出るため、見逃されやすい一方、治療により改善が期待できる点が重要です。

成人血栓症特に若年・原因不明・再発性の血栓症は、ホモシステイン代謝異常(ホモシスチン尿症・ビタミンB12代謝異常など)が潜んでいる可能性が相対的に高く、実臨床では必ず検査が推奨されます。
血中ホモシステイン測定と尿メタボローム解析にてメチルマロン酸、ホモシスチン解析は鑑別診断の鍵となります。是非メタボローム解析をお薦め!

発見契機 疾患タイプ 具体例
原因不明の血栓症 CBS欠損・cblC型 深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳静脈洞血栓症
進行性の歩行障害・認知症様症状 cblC型 痙性歩行、認知低下、精神症状
精神科疾患として長期治療中 cblC型 うつ、幻覚、人格変化
骨折を繰り返す成人 CBS欠損 骨粗鬆症、脆弱性骨折
ビタミンB12欠乏と診断されるが改善しない cblC型 巨赤芽球性貧血、メチルマロン酸上昇